
春にむけて
16-2-26 たりほ
冬至前から年末にかけて、なんとか撒き終えた「おませ小麦(和歌山県につたわる小麦)」の若葉たちはすくすくと、撒いた時間差のとおりに地面から姿をみせています。
お借りしている敷地の休耕田の用水路を掃除したり、晩夏にうっかり草刈りをさぼったあたりで冬枯れしている、ヒッツキたち(コセンダングサ)の種がひろがらないよう、ちいさくまとめたり。石積みの間の草は、土をおおきく引き出さないように丁寧に刈りとったり… 実生のヤブツバキに絡まった、つよいつよい葛をとりのぞいたりと、冬の野良仕事もいろいろと。
それにしても、石積みのまわりを手入れしていると、遠い昔にたくさんの手が石を積み上げた、その仕事量にふれるようで、なんともいえない気持ちになります。草を刈りこんで、こざっぱりした石積みは、また存在感が増すようです。
日中、気温が上がるとオオイヌノフグリの青い小さな花がひらきます。マゼンタピンク色のミニチュアの針刺しのようなホトケノザの蕾、白いナズナもなかまも、小さな小さな花が開きはじめています。積んでおいた枯れ草をめくると、すこし湿ったところには、チドメグサ。畦路ではヒガンバナが、しっかりとした艶のある緑の葉を地面にそわせています。
お隣の棚との境の石積みのすきまには、カキドオシが生えています。カキドオシは、うすい紫の花をつけるころに摘み、干しておくと薬効のあるお茶になるので、この草は刈らずにおきます。
外であれこれと作業をしていると、野鳥がすぐ側までやってきて、こちらをじっと見ているようなことがあります。そんなときは、ちょっと手を休めて「この前の雪の日に、家の中から双眼鏡でみていたモズの一群にあなたもいたの?」と、話しかけたりして、しばし一緒に過ごします。
by tariho 2016/2/26