インタビューのワークショップ
ひとの話を「きく」技術と感覚をめぐるワークショップです。2010年頃に始めました。テーマは「きく」ことですが、結果的に「はなす」体験をたくさんできるところもよいな、と思っています。

これまでに2泊3日、通いのマンツーマン形式など、いろいろ試してみましたが、個人的にはこの「5泊6日・12名」形式の納得度がもっとも高い。
年に2度、信州の女神山ライフセンターで開いてきたサイクルを、今年から、夏は東北に移してみることにしました。(上の写真は女神山 2016年冬の一コマ)
陸前高田、広田湾を見下ろす山の中腹にある「箱根山テラス」は、4年前に生まれた、空が広くて風通しのいい滞在交流施設。開発に伴走し、僕もたびたび訪れている大好きな場所です。そこで。


私たちは言葉をつかって他人とコミュニケーションをとり、働き、この社会で生きています。が、言葉で表現されていることの大半は「考えた」ことで、それ以外は言葉とはまた別の形であらわされている。
「ひとの話を聞くのが上手い人」と言うと、引き出し方のうまさや、知的な理解力の高さを思い浮かべる人が多いようですが、そういうのが「よくきける」ことなんでしょうか。
僕自身は、引き出しもすれば知的にも理解しますが、それらはごく一部だと感じています。
見えていたのに見ていなかったものが、見えるようになる瞬間は楽しい。聞こえていたのに聞いていなかった音が(声が)、聞こえるようになる瞬間は嬉しい。
「ひとの話」の風景の中をゆく、自然観察というか山歩きのような6日間です。どうぞお越しください。
インタビューのワークショップ 2018・初夏の陸前高田編
ファシリテーター: 西村佳哲
日時 : 2018年6月22日(金)~27日(水)
集合 6/22 15:09 14:59(JR大船渡線 脇ノ沢停留所)
解散 6/27 13:00頃(同上)
└ 電車でのアクセスは、JR気仙沼駅でBRT乗り換え
場所 : 箱根山テラス
参加費: 40,000円 +宿泊費61,000円 56,000円(食費・税込)
└ 宿泊費は現地精算
料理人: 新田理恵さん({tabel}代表、食卓研究家)
定員 : 12名(9名以上で催行)
持ち物:・筆記用具
・ICレコーダー(ないしテープレコーダー)
+ヘッドフォンorイヤホン
・その他、宿泊用品など

お申込み方法:
以下の事項をメールでお送りください。先着順で受け付けます。
・お名前:
・連絡用メールアドレス:(複数可)
・連絡用電話番号:
・ご住所:
・ご年齢:
・性別:
・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
・お申込みの動機:(必須、ただし選考用途ではありません)
送付先: interview_1806@livingworld.net
お申込み完了までの流れ:
・申込者には、催行人数に達し次第ご連絡さしあげます。その後、数日以内に参加費をお振り込みいただき、確認をもって参加申込みの完了となります。
・全日程の参加が前提です。
陸前高田へのアクセス:
・東北新幹線 一ノ関駅でJR大船渡線に乗り換え、終点の気仙沼へ。気仙沼駅からBRT(バス)を乗り継ぎ、海岸線を40分ほど北上した脇ノ沢という停留所で下車。箱根山テラスから車で迎えに行きます(そこからは5分ほど)。
・西日本からは、東京駅で新幹線を乗り継ぐか、あるいは飛行機で仙台空港へ。仙台駅で東北新幹線に乗り継ぎ以下同様。
・池袋〜陸前高田の夜行バスもあり。


きくこと、について
(2017年7月に書いた、冬編の告知文より)
ひとは光源で、話は光のようだなと思います。回り込んでくる柔らかい光もあれば、エッジをくっきりさせる光もあり、灯火のように揺らぐ光もあり。
その光は自分の耳に届き、胸に届き、きき手の世界に射し込んでくる。
光源を、その造形で捉える人も多い。照明器具の色や形として。その好き嫌いで。
いやそうじゃなくて、光そのものを捉えてみない?
人は「話して」いるようで、実は「うたって」いると思う。多くの人は、その歌詞の方に気をとられている。
うたにはメロディがあるし、さらに、その日のうたいっぷりがある。
内容は昔話や18番エピソードだったとしても、「うたい方」には、いまこの瞬間の、いちばんあたらしい本人がいる。そこで出会ってゆくと、別々の人生を辿っていた二人が〝いま・一緒に・いる〟ことが可能になる。
これは小さな冒険のようだな、と思う。

箱根山テラスについて
箱根山テラスは、陸前高田の友人・長谷川順一が軸となって運営されている、震災のあとに出来た宿泊滞在施設です。以前いくつか紹介記事を書きました。
・「箱根山テラスとは」(2014-9-3)
・「公園のような場所」(2014-9-24)
この場所の経緯等は上記リンク先に任せるとして、ここの良さを、少し書きとめておきます。オープン後は毎年9月の連休に、「箱根山学校」というプログラムで滞在しているのですが、滞在が本当に気持ちいい。
空を飛ぶ小さな公園のようなウッドデッキは、星野リゾートのランドスケープデザインも手がける長谷川浩己さん(オンサイト)の設計。いろいろな居場所がある。思い思いの時間を過ごしている姿をみて、いつも「海の磯場のようだな」と思っています。





いろいろな人がかかわって形になった場所で、たとえばインテリアはgraf・竹之内/佛願さん(大阪)、ロゴデザインは中川たくまさん(福岡・青い月)。朝ご飯は三原寛子さん(南風食堂)がレシピ開発を担当。


長いワークショップは食事に支えられる。今回は新田理恵さん(食卓研究家、tabel 代表)に一緒に滞在し、昼と夜のご飯をつくっていただくことになりました。
インタビュー「薬草文化再考、 その先に見える 健やかな未来」(life design journal)
あと大事なのは、清潔であること。基本は清掃ですが、箱根山テラスは海沿いの斜面にあり、昼と夜で毎日空気が上り下りする。その流れを捉える設計になっているので屋内の空気がいつも新鮮です。この気持ちの良さは、滞在するとよくわかる。

デッキ東端のブナ林の木陰。世界の半分は空。すごい。毎日変わってゆくその景色の中で、5泊6日のインタビューのワークショップをひらきます。どうぞ。


「きく」ことにつながる西村の本を、3冊選んでみると…
『かかわり方のまなび方』(2011)
『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(2010)
『自分をいかして生きる』(2009)
by 2018年3月29日