
ワーマンの10の教え
以下は『「情報の理解」に関するワーマンの10の教え』というタイトルのテキスト。今日、机のまわりを整理していたら出てきた。
1991年の日付けがあるので、20年前か。
ウェブで少し検索してみたが見あたらないので、捨てる前にウェブに載せておこうと思う。僕自身はこの20年間、これらの言葉を噛み直して過ごした。
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1 学習とは、何に関心があるのかを忘れないでいることだ。
2 ひとは、すでに知っていることとの関係においてのみ、ものごとを理解することができる。
3 情報をクリエイティブに組み替えれば、そこにまた新しい情報が生まれる。
4 「理解する」とは常に道のりであって、ある地点ではない。そしてその道は、ものごとを関係づけた時に浮かび上がる模様の中に見出すことができる。
5 「理解する」とは単純化することではなく、明確化することである。
6 様式は、情報デザイン列車の乗客になり得ても、決してエンジンにはなれない。
7 知らないということを認めて、初めて、ひとは学ぶことができる。何がうまくいかないのかを探し当てることが、学習のきっかけをつくるのだ。
8 理解を促すものでないのなら、規則や正確さに意味はない。
9 情報の構造は、伝えようとする情報からひとりでに浮かび上がるものだ。
10 優れた問いを発すれば、答えはその中にある。
ここに書かれているのは、たぶんリチャード・ソール・ワーマン(Richard Saul Wurman)の『情報選択の時代』や『理解の秘密』に書かれていることの抽出だと思う。
ワーマンは、確かルイス・カーンのもとで働いていたことのある建築家で、しかし情報デザインの分野で活躍した。アメリカのいくつかの都市のガイドブックとしてつくられた「アクセスシリーズ」が有名。レストランと建築の情報が充実していて、僕も大変お世話になった。あと、TEDを始めたのもこの人だ。
日本でワーマンの仕事が熱く紹介されたのは、ちょうど90年前後。コンピューティングが、まだネットワーク・コンピューティング(つまりインターネット)の可能性として語られる前の時期で、日本の情報デザインはこの頃から再出発したと言っていいだろう。
その技術も手腕も進化したと思う。
けど、「なんのための情報デザイン?」という部分は、あまり掘り下げられていないと感じています。
by 2011/8/7