Oct 19, 2019

友人夫妻とスタッフが営む「efish」というカフェの閉店の立ち会いで、何日か京都に滞在した。写真は最終日の一コマ。お店のロゴをデザインした近藤さん(京都の大学出身)が東京から駆けつけ、楽しげに選曲している。

この前の2日間・10/14と15日の夜に、オーナーの西堀夫妻やスタッフの話を聞くトークイベントをひらいた。僕がインタビュアー。半年ほど前に店を閉じると聞き、しばらく考えて、自分から提案した。
考えたのは「トークイベントなんてやりたくないんじゃないかな」ということだ。最後の日もいつも通り店をひらき、いつも通り食事や飲物をつくって終えていきたいんじゃないか。パーティーくらい開くだろうけど、それは「一緒に楽しもう」ということで、あらためてなにか言葉にしたり、語りたいなんて思わないんじゃないか。

でも提案には快諾が届き、当日に。普段はハワイにいる彼(西堀晋)と再会して直接訊ねてみたところ、やっぱりそう考えていたという。最後まで同じように店を開き、閉じていこうと思っていたそうだ。

これは彼の言葉ではないが、イベントを開くとなれば、そのぶんカフェ利用の人の席がなくなる。efishには2階席もあるので、下でイベント/上は営業が可能で、当日はそうなっていたけれど、接客中のスタッフは一緒に参加できないし、実際イベントの最中には、外の高瀬川に沿って並んで待っているカフェ目当てのお客さんが何人もいた。
efishはカフェだ。彼らがカフェで表現することは、カフェを通じて十分に表現されているわけで、あらためてなにを言葉にしてもらうのか。

と思いつつ、西堀晋・つかささん自身の言葉で、閉店の経緯や起こりうる事々への想いなど、本人たちの居所を聞かせてもらえたのは有り難かった。

新しくなにか始める、創り出す、成長する、伸びたり広がってゆく物事にはエネルギーがあるし人も注目する。でも私たち人間がすることには、その主体の間尺に応じた寿命がある。はじまりがあって、おわりがある。彼らはそのおわり方の一つを、姿を通じて見せてくれたなと思って。
晋さんはこうも話していた。「お客さんが来てくれて、大切に思ってくれている店を、やめたくないですよ(笑)。けど、やめる判断ができるのは僕たちだけなんです」「店をつくること。つづけること。閉めるということ。三つの局面で使う能力は違う。けど、そのどれにおいても必要なものは愛情でしかない」。

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