Dec 31, 2020

12月は東京の家にいた。東京からオンラインで神山のミーティングに参加していると、なんだか、みんなの声や姿をあの世から眺めているような。こっちは見えているけど、向こうからは見えていないような錯覚をおぼえる瞬間があった。

途中2日間、京都工繊大で講義を持った。オンラインで「観察」のワークショップ。「これはなんだと思う?」から始めるもの。

通常の講義と同じく、小グループの語り合いを多く挟みながら進める。終了後のフィードバックに、「今年は部屋で一人で聞く授業が多かった。久しぶりにいろんな人と話し、大学の良さを思い出した」とあった。他の学校の学生も同じ話をしていたな。これ自体が、この世代の皆さん固有の共通体験になるんだなと思う。

京都工繊大には、仲隆介先生に呼んでもらい10数年かかわった。多分あと1年で終了する。学生さんの感想は良いけど、自分はいまこの時代に大学で教えるに足るものを、あまり持ち合わせている気がしない。毎年考えてしまう。

12/25、神山町「まちを将来世代につなぐプロジェクト」第二期の施策資料が、ウェブで公開された。今年は夏から12月まで、その中の1テーマを担当し相応の時間を割いていた。でも5年前は、このほぼすべてを自分が書いたんだよな…とふり返ること少々(もちろん話し合って)。
今回は30代の若い連中がまとめあげた。頑張れ。楽しんで。と思う。

友人たちが遠野で「ハヤチネンダ」という活動を始めている。一般財団法人。

〝「いのち」はどこにあるのでしょうか。〟という投げかけ。死んでゆくこと。その一部としての埋葬や葬儀。死んで生き直すこと。その新しい提案を始めようとしている。彼らのお手伝いもすこし。

今回の東京滞在でよかったことは沢山あったけど、3つあげると、トヨダヒトシさんのスライドショー(Twitterに少し書いた)、三原寛子さんとのMEETING(noteに書いた)、そしてクリストのドキュメンタリーを見たことかな。

かけがえのない片腕でもあった奥さん(ジャンヌ=クロード)を亡くし、クリストが単独で取り組んだ新しいプロジェクトの記録。

頭の中に像を結んだ景色を、実際に見てみたいというアーティストの作品制作。湖のほとりの小さな町の事前説明会で「このプロジェクトには、何かの役に立つとか別の用途は一切ありません。見てみたいだけです」と話していて痛快。

クロードがいなくなりどうなった…と思っていたけど、順調にお元気で、一人で生きているわけでもなかった。映画館の抽選で、湖を渡った黄色い布の端切れが当たり、帰宅して本の栞をつくった。いい12月でした。よい年をむかえよう。

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