東京の山小屋で

わたしたち(LW)が「いまこの人の話をきいてみたい」と思う方をお招きして、お茶を飲んだりパンなどかじりながら、少人数で語り合う。そんな場を、月の最後の土曜日の夜、「ルシャレ」というカフェでひらいてみています。
さて、第6回は。:-)
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Vol.6 2010年12月18日(土)
終了しました
18:15頃開場・18:30スタート(21時までに終了)
参加費:2,500円(お茶・コーヒーなどワンドリンク付き)

ゲスト:本城慎之介さん
(仕事の学校、元横浜市立東山田中学校校長、元楽天副社長)
本城さんは、学生時代に楽天創業者の三木谷さんと出会い、一からプログラミングを学んで「楽天市場」をつくった人。その後副社長をつとめていましたが、30歳で楽天を退いて教育の世界へ。この頃は新しい学校をつくろうとしていたようです。

Photo: Kyosuke Sakakura

その後、横浜市・東山田中学校で全国最年少の校長に。2年ほどで同校を離れ「仕事の学校」をスタート。大学進学前の高校生が、合宿を通じて仕事観を育み合う場をつくりました。(少し前のインタビュー
2年とちょっと前に、家族(妻と子ども4人)で軽井沢に移転。今は森のようちえん「ぴっぴ」のスタッフとして、子どもたちとの日々を過ごしています。ごらんのとおり。:-)
日本一の規模を誇るショッピングモールを立ち上げ、ビジネス的に成功をおさめ、30歳で会社を離れて、教育界に一石を投じる新しい学校をつくり、次の時代を担う人材を輩出。同校に子どもを入れたい親が長蛇の列を…なんて話だったら「わかりやすい」のですが、彼はそういう道を歩もうとはしていない。
でも、他の人に説明するために、生きているわけじゃないものね。どこで満足し、なにに充実をおぼえるかは、人それぞれ。
自身の実感を大切にして生きている彼の姿にはとてもリアリティがあって、私たちは本城さんと一緒にいる時間が好きです。
軽井沢暮らしも、森のようちえんの仕事もすっかり板についてきた彼に、最近どんなことを感じ・考えて生きているのか、お話しをうかがってみたいと思います。
募集人数は8名。どうぞ、お越しください。

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◎お申込みの方法
12/10(金)24時まで、先着順で受け付けます。
以下の事項をメールでお送りください。
 ・お名前:
 ・連絡用メールアドレス:(複数可)
 ・連絡用電話番号:
 ・ご住所:
 ・ご年齢:
 ・性別:
 ・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
 ・お申込みの動機:(よろしければ教えてください)
送付先: yamagoyade@livingworld.net
会場:富ヶ谷・ルシャレ地図
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この企画「東京の山小屋で」について
ルシャレ(le chalet)は、アルプス地方などにある木造の山小屋を指す言葉。カフェ「ルシャレ」は富ヶ谷のパン屋さんルヴァンが、15年ほど前に隣の店舗を借り増ししてつくった、パンや温かい飲み物、軽い食事をいただける小さなお店です。
オープンの際、甲田さんはこんな案内文を書いていました。
〈山へ行くと「こんにちは」とあいさつする。そして昔からの仲間のように、今日来た道程や楽しかったことの思いを話す。
 食べものを分けたり、交換したり、ひとつの火を囲んで食を共にする。そんなあたたかな笑いのある、気持ちのいい「ル・ヴァン」の心を提供したい。
 いろんな思いを込めて、どうぞお越しください。〉
ぼくらは一人ひとり、たとえば東京で、それぞれの道筋を歩いている。暗い森の中を進んだり、尾根に出たり、太陽のめぐみを感じたり、雨や風に阻まれたりしながら。
そんな道程の中に、すこし腰をおろして休みをとれる暖かな場をつくってみたい…というのが、甲田さんの十数年前の想いなのでしょう。
その「東京の山小屋」で、月に一度ぐらいのペースで、互いが旅の中で見てきたもの、感じてきたことを交わし合う場をつくってみようと思うわけです。(西村佳哲/リビングワールド)

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オープン間もない頃のルシャレの外観(現在もあまり変わらない)

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すでに終了した回の案内文
Vol.5 2010年8月28日(土)
ゲスト:多木陽介さん(「アッキレ・カスティリオーニ」著者)
多木さんはローマ在住。十数年前、西村佳哲がミラノにカスティリオーニを訪ねた際、通訳を担ってくださったのが最初の出会い。3年前に再会して以来、毎年冬にシブヤ大学で開かれている「いま本当に必要な仕事ってなんだろう?」という半日ワークショップを、ともに手がけている人です。

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その彼が、夏から秋にかけて一時帰国することになり、「では山小屋で?」という話になりました。:-)
どんな話を?
「どんな風に生きているの? どんな風に生きてゆくの?
 イタリアから帰国中の多木陽介さんと、パンやスープを食べながら語り合う」、という感じ。
彼は確か早稲田の仏文です(ちなみに父親は批評家の多木浩二さん)。それがなんでイタリアに行ったのかも、そのまま住み着いたのかも、そういえばあまりよく知らない。
イタリアで、どんなふうに自分の仕事をつくってきたんだろう?
その中で考えてきたこと、大事にしてきたことは?
この先もイタリアで暮らしてゆくつもりなんだろうか?(ちなみに奥さんはイタリアの方)
日本はどんな風に見えているのかな?
少しメールを交わしてみたところ、ここ数年の間にイタリア社会は大きく変わったそうです。で、このまま住みつづけるのがいいのかどうか、本当にわからない。考えてしまっているんだと言う。
多木さんの話を聞きながら、力まず語り合える小さな場をつくりたいと思います。

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Vol.4 2010年7月24日(土)
ゲスト:清水 徹さん(monokraft
清水徹さんは、私たちLWとの関係が深い大切な友人の一人です。彼はこの7月まで一年間少々、パートナーのセキユリヲさんと、スウェーデンに留学していました。カペラゴーゲンという、知る人ぞ知る工芸学校に通っていたのです。

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西村佳哲は以前から、このカペラゴーゲンのサマースクールへ行ってみたいと思っていました。年齢も国籍もちがう人たちが集まって、コツコツと手仕事をして、食卓を囲み、庭で夏の日射しを楽しむ数週間。カペラゴーゲンには日本からも多くの人が留学しています。(須藤さんという方のblog台湾のニニさんという方のblogJDNのページ
帰りたてホヤホヤの彼の話を!というのが、いちばんの動機(現時点でまだストックホルムにいるみたい)。あと清水さんが、デザインやモノづくりについて、最近どんなことを考えているのかを知りたい!と思って。

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清水さんはLWの砂時計の木枠のオリジンでもあります。もともと彼が、勝又さんという友人とつくっていた「LP frame」という品物があり、砂時計のデザインを考えていた頃、他にない!と思って、その二次利用を相談した経緯があります。
また、西村佳哲とは、センソリウムやサウンドバムをともに手がけた古いつき合いであり、AXISデザイン室時代は西村たりほの上司でもあり。元々は建築科のご出身で、海外の現場を担当した後、グラフィックデザインの勉強をしようと多摩美上野毛校へ。そこでAXIS誌のAD・宮崎光弘さんと出会って、AXISのデザイン室へ。ウェブから紙モノまで様々なデザインを手がけ、AXISを辞めてからは木工家具のデザインと製造も行うようになり。住宅も設計して。
もう、本当になんでもできちゃうスゴイ人なんですけど、なんにでも手を出しているわけではなくて、いろいろと考えながら日々を重ねているように見えます。
その彼が、スウェーデンでなにを見て、感じてきたか。

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Vol.3 2010年6月26日(土)
ゲスト:高嶺エヴァさん
エヴァさんとの出会いは10年ほど前。彼女はヨーガン・レールのプレス担当で、「自分の仕事をつくる」に収録されているインタビューを通じて、西村佳哲がお世話になりました。
その後も時々話を交わしてきましたが、約1年半前、長く働いていたヨーガン・レールを辞めるという。「歌をうたってゆきたいんです(笑)」と語っていて、私たちの心は少なからず動きました。「歌ですか!」。
そして昨年12月、表参道のカフェanoで開かれている月イチのコンサートに出かけて初めて彼女の歌を聴いて。それは本当に可愛らしい、素敵な時間だったんです。(その数日後に書いた文章
コンサートの後、「歌だけで食べてゆくのは難しいですね(笑)」と笑いながら話していた彼女は、恥ずかしそうでもあったけど、でも嬉しそうで。プレスの仕事をなさっていた頃より、たしかに生き生きとして感じられた。
その彼女をゲストにお招きして、仕事のことや、故郷のチェコのことなどお話していただいき、歌も何曲か聴かせていただけたら素敵だな…と思い、東京の山小屋にお招きすることになりました。
彼女はチェコのボヘミアで生まれ、プラハで声楽を学び、20歳の頃シベリア鉄道に揺られて日本へ。一時パリで学び。ヨーガン・レールを経て、現在も日本で暮らしています。ご年齢は、たぶん40代後半ぐらい。

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Vol.2 2010年4月24日(土)
ゲスト:曽我建太さん(R水素ネットワーク)・兼松佳宏さん(greenz.jp
曽我さんは、昨年末からR水素ネットワークの事務局として活動している人。兼松さんは、ウェブディレクションなどの仕事を経て、現在はgreenz.jpを手がけているビオピオのコアメンバ竏秩B
僕(西村佳哲)は年に何度か、ワークショップなどの場をひらいていますが、そこに来る人に心を打たれることが多くて。(今年は「馬で日本を一周して、人と人をつなぎたい」と語る女の子に出会った。すごいな…)
曽我さんや兼松さんも同じく。出会ってもうしばらく経ちますが、こういう人たちが未来を照らしていくんだなあと、すこし眩しさを感じつつ接している若い友人です。
先月、彼らは二人でデンマークへ行っていました。世界初の水素コミュニティ「ロラン島」への視察旅行。僕もまだよく知らないのですが、その旅の報告会をして欲しい!というのが、今回の山小屋の主旨。
スライドを軸に、デンマークという国の姿を含み、彼らが触れたものごとの一部をご相伴にあずかりたい。そしてお茶とかパンをいただきながら、話を交わそうじゃないか、というわけです。
R水素とは、原子力や化石燃料を使わない、化石燃料に代わるこれからのエネルギーであるとのこと。
参加する方は、当日までにR水素ネットワークのサイトを読んでおくこと(当日は旅の話に集中したいので)。
曽我さんはこんな人(プライベートで四国・神山を訪問した際の記事)。兼松さんは、たとえばこんな人(ビオピオの坪根さんと一緒に受けているインタビュー記事)

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Vol.1 2010年3月27日(土)
ゲスト:茂木滋範さん・万里子さん
茂木滋範さんと万里子さんは伝説の…というと大袈裟ですが、パン屋さんルヴァンの古株スタッフ。彼らが好きで、二人を慕っているお客さんはとても多い。僕(西村佳哲)もそうです。同じくルヴァン・オーナーの甲田幹夫さんにも、彼らのことをとても大切に感じている様子が、端々にうかがえます。
彼らは約10年前にルヴァンを卒業し、今は町田で暮らしています。ルヴァンを出ていった人たちには、やはりパン屋さんを開業している人が多いのですが、二人はその道を歩みませんでした。
万里子さんは、縁あって働くことになったある幼稚園の給食室で。滋範さんは授産施設(障害者の仕事を支援する作業所)で働きながら、休みの日には近くの山林を歩き、野草を摘んで帰り、野草茶をつくっています。二人の野草茶は評判が良く、ルヴァンのほか、奈良の「くるみの木」からも取扱いの相談をもらっているとか。
子どもたちの食や、障害者たちとの仕事、そして日々の暮らしを通じて、茂木さんたち二人がこの10年間、なにを感じ・考えてきたか。耳を傾ける時間をつくってみたいと思います。

by 2010年3月20日