これからの状況と方法

島の人口の約1割にもおよぶ、若い移住者の姿。高い定住率。公立校とは思えない突き抜けた魅力化プロジェクトを進めてきた島前高校など。話題に事欠かない離島、隠岐の海士町でワークショップをひらきます。
日時 :2015年10月16日(金)〜19日(月)
集合 16日 12:40 海士町・菱浦港ターミナル
解散 19日 15:00頃 →15:15発のフェリーに接続
ファシリテータ:西村佳哲、信岡良亮(巡の環)
場所 :海士町の図書館など
参加費:81,600円(+宿泊費・食費17,400円)
定員 :12〜15名
申込み :>「巡の環」の受付ページ(先着順)
3泊4日の旅のツレは、信岡良亮さん。
6年半の島生活を経て、「過疎を地方側だけの問題として捉えずに、全ての繋がり・関係性を良くしていく」という次ステップに進むべく、2014年5月から活動拠点を再び東京へ。都市と農村の新しい関係を、実践的に模索している。
キノコ博士と森に入ると、森が「キノコの山!」になるように、フィールドには誰と入ってゆくかが肝心。そのお役目を信岡さんと僕、あと上記文中にも顔を出す「巡の環」の阿部裕志さん等に担っていただいて、ワークショップ滞在中のメンバーを海士町につないでもらう。
ちなみに信岡・阿部は、『僕たちは島で、未来を見ることにした』を書いた二人です。編集が上手くて、一気に読める一冊。
で、今回入ってゆくフィールドはどこかというと海士町なのだけど、そこを通じて「これからの日本」に入ってゆく4日間を考えています。同時に「これからの自分」にも。
ここ2年ほど僕は、信岡さんが取り組んでいた『都市農村関係論』というテキスト執筆の相談相手をつとめていました。読みにくーい草稿を読み、スカイプで何時間も話を交わしてきたのだけど、決して苦行ではなく、楽しかったし、あと勉強になった。
人口が減少してゆく社会で、個人のサバイバルに泥濁せず、関係の中に活路を見出してゆくには? という彼の問題設定は、自分の考えと重なる部分も多々あり。
「これからは地方の時代」とかいうフレーズが自分は苦手で、可能性も不可能性も、要はその場所にどんな人たちがいるか次第。都会だからどう、地方だからこうといった話はナンセンスだと思っています。
あと信岡さんのプロフィール文に「過疎を地方側だけの問題として捉えない」とあるように、地域をいかに良くするかではなく、どんな関係を育んでゆくか・ゆけるかが大事だと思っている。
どんなに筋力アップして、知識や教養も身に付けたところで、他者との関係が良好でなかったらねえ。一人の人間について考えればごく当たり前のことを、地域につなげて考えてゆくセンスが必要なんじゃないでしょうか。
今年の春に完成した彼のテキスト(非売品)には、その理路と、現時点の解決仮説が提示されています。信岡さんは身近な人たちに配付している様子。
その2年間の節目として、海士町の空気の中に身を置きながら、信岡さんと西村、そして集まった人たちで、これからの日本、自分たち、そして自分のことを考える時間をつくってみることにしたわけです。
「地方」と称される中でも、とくに離島のように人口の母数が小さな地域は、「世界がもし100人の村」ではないけれどこれからの社会を考えやすい環境だと思う。日常からレコードの針を外し、自分の声や音に耳をすませる時間にもなるだろう。
今後の社会で起きてくるだろうこと。いま考えうる不可能性と可能性。「これからは地方」でも「やっぱり都市」でもない、両者の関係のバージョンアップ。移住して「島で未来を見ることにした」という本まで書いておきながら、いったん島を出ることを決めた信岡さんと、彼を送り出した阿部さんたちが立てている戦略。海士町で始まっている「まち・ひと・しごと創生」の具体的な動き。
西村が「働き方研究」の帰結としていま始めていること。神山町や海士町における、これからの状況と方法。そして当日集まった人々めいめいの現場の、状況と方法について。
具体的に考えるにつれ、いわゆる2泊3日では逆に時間がもったいないかも…という話になり、多少長めの日程になるし参加費もやや割高になってしまうけど、東京ではなく海士町で、3泊4日のワークショップをひらいてみよう! という話になった。
ざっくりとしたプログラム案
Day 1:10/16
・12:40着 菱浦港ターミナル集合
昼食後、マイクロバスで島内見学
「海士町について」「オリエンテーション」(西村・信岡)
・食事のあと、夜プログラム
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Day 2:10/17
・AM 「わたしと海士町」(信岡)
・PM 「これからの日本、これからの都市と農村」(信岡)
→私たちが取り組まなければならないことは?
・夜 「ひとの話をきくこと、自分の言葉で語ること」(西村)
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Day 3:10/18
・AM 「自分、自分の仕事」(西村)
・PM 「自分の仕事、自分たちの仕事」(西村)
・夜 「これからの状況づくりにむけて、方法の試案」(信岡)
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Day 4:10/19
・AM 巡の環・阿部の経験を通じて ミニトーク
・AM→PM それぞれの現場に向けて、クロージング
・15:15発 菱浦港から本土へ
いろいろ書きましたが、なにより気持ちのいい土地だし、海士は「ふくぎ茶」というお茶(クロモジから採れる)も美味しいんですよ。
お申込みは、「巡の環」の受付ページからどうぞ。着順で受け付けています。
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by 2015年5月28日