風通しのいい学校で、3泊4日

第3回 〝ひとの居場所をつくる〟ということ
陸前高田の、木と人をいかす宿泊滞在施設「箱根山テラス」を丸ごと借り切って、各地から集う人々と織りなす4日間の学校。
10年つづけるスキームの、3年目の場をひらきます。

ファシリテーターは、友廣裕一・長谷川浩己・西村佳哲の3名。
今年は参加人数枠を抑え、昨年よりすこし小規模なゼミスタイルを採ります。初めて試すこともいくつかあり、3年目ながらドキドキしているところ。
前年までに参加した人も、震災後の三陸沿岸部へ行くのは初めての人も、あるいは近くにお住まいの人も、どうぞご参加ください。
日常からレコードの針を少し外して、あたらしい空気に胸をひらくことができれば。

箱根山学校 Hakoneyama Academy | 3rd year
日時:2016年9月22日(木祝)〜25日(日)
20日 JR 気仙沼駅 11:47集合
25日 同駅16:15あるいは17:50発への接続で解散
会場:箱根山テラス(岩手県 陸前高田市)
定員:21名/2日目に現地でゼミを選択、各ゼミ7名づつ
参加費:32,000円 ⋯事前振込
+宿泊滞在費:31,000円 ⋯現地清算
└ 食費等込み、初日昼食を除く

友廣裕一[左]
20代前半の日本一周を経て、震災後は各地の人や自然資源との出会いから、仕事を生み出す活動を重ねている。石巻市牡鹿半島のお母さんたちの仕事づくり『OCICA /オシカ』をはじめ、最近はアジアのクリエーターを東北につなぐ「Door to Asia.」も。
長谷川浩己[中]
星野リゾートなどのランドスケープ・デザインを手がけるかたわら、2012年頃から陸前高田に通い、外部の専門家として出来ることを模索。「箱根山テラス」では山の中腹に位置する敷地の特性をいかしつつ、建築計画の中心的役割を担った。
西村佳哲[右]
書籍『自分の仕事をつくる』等の著者。働き方に強い関心を持ちながら20〜40代前半をすごし、近年は「営み方」に関心をよせる。2年ほど前から四国・神山町に拠点を移し、複数の地域プロジェクトを進行中。「箱根山テラス」とは、構想段階から年に一度のスタッフミーティングまで、親戚の叔父さんのようにかかわっている。
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プログラム案
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初日:9/22(木祝)
11:47着 の電車で、JR気仙沼集合(東京発 07:56 相当)
→車などの移動手段で、全員箱根山テラスへ
16:30〜18:30 オリエンテーション、3分間の自己紹介大会
19:00〜 夕食(箱根山テラス スペシャル)
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2日目:9/23(金)
7:30〜 朝食
3つの公開講座:〝ひとの居場所をつくる〟
9:00〜11:30 友廣裕一「地域とつながる仕事の話」
13:00〜15:30 長谷川浩己「風景をつくる仕事の話」
16:15〜18:45 西村佳哲「営みをつくる仕事の話」
*上記3講座のみ一般公開します(お申込みは箱根山テラスまで)
*昼食は普通で美味しい「母笑(ががにこ)」田崎さんのパンと、「八木澤商店」のスープを予定
19:00〜 3つのゼミのオリエン
19:30〜 各ゼミ、キックオフ
20:30〜 夕食(長谷川順一 スペシャル)
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3日目:9/24(土)
7:30〜 ミハの朝ご飯
9:00〜12:00 友廣ゼミ、浩己ゼミ、西村ゼミ
3つの部屋で同時進行
12:00 昼食(「和笑輪」橋詰真司さんの大皿料理)
13:30〜19:00 自由選択のミニクラス
*14:15〜、15:30〜、16:45〜、18:00〜の各1時間
3名以外の講師も含む複数のワークショップを同時進行で開催
19:30〜 ミハの晩ご飯
20:30〜 翌日午前のオリエン
21:00〜 3つのゼミで、一日のふりかえり
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最終日:9/25(日)
7:30〜 朝食
9:00〜13:00 COI(コミュニティ・オブ・インタレスト)
「この指とまれ」形式の関心グループ
13:00 ミハの昼ご飯
14:00〜 クロージング
終わり次第、車などの交通手段で気仙沼駅へ移動
A)16:15発に接続
B)17:50発に接続

◎お申込み方法:
以下の事項をメールでお送りください。先着で受け付けます。(今年はゼミの選択は現地でおこないます)
キャンセル待ちの方々も多くなったので、お申込みの受付を終了します。(9/11)
・お名前:
・連絡用メールアドレス:(複数可)
・連絡用電話番号:
・ご住所:
・ご年齢:
・性別:
・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
・お申込みの動機:(必須、ただし選考用途ではありません)
送付先:1609hakoneyama@livingworld.net
◎お申込み完了までの流れ:
・申込者には、定員に達し次第ご連絡さしあげます。数日以内に参加費をお振り込みいただき、その確認をもって参加申込の完了となります。
・全日程の参加が前提です。
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「箱根山テラス」について



三陸沿岸部では復興事業関係者の需要が多く、一般の人が宿の予約を取りにくい状況がつづいてきました。しかし新しい価値や試みを形にしてゆくには、地元の人たちと地域外の人たちの関係育成を可能にする『場』が要ります。
「箱根山テラス」はその実現をめざす宿泊滞在施設として、2014年9月に出航しました。(ロゴデザイン:中川たくま)

リーダーの長谷川順一さんは震災経験後、過度に外部依存しない地域エネルギーの必要性を感じ、本業の建設業のかたわら本格的に木質バイオマス事業に取り組み始めた。
「箱根山テラス」はその彼が仲間たちと始めた、もう一つの新事業です。

将来世代を含み、人々が健やかに生きてゆける状況を、木質バイオマスを軸にした地域エネルギーシステムと、地域内外の人々がくり返し訪れる場づくりをつうじて、陸前高田に実現することを目指している。
西村佳哲は縁あって2012年春から現地に通うようになり、地域の仕事づくりを目指す会社をサポート。その中でプロジェクトにかかわるようになりました。オープンまでは施設づくりを手伝い、オープン後は利用者として年に一度のワークショップ企画を、友廣・長谷川と始めた。

今年のテーマは〝ひとの居場所をつくる〟ということ、です。
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友廣裕一さんから
気がつけば箱根山学校も3年目。
人生っていうのは、ひょんなきっかけで、すっと角度を変えていくもので。箱根山の日々が一つのきっかけになって方向転換した人もいて、そんな話が聞こえてくると、にやっとうれしい気持ちになったりします。
そんな自分もかつて、日本各地の農山漁村を訪ねる旅に出ていたことがあります。詳しいことは西村さんの著書『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』に詳しく書いてもらっているのですが…
その旅では大きな偶然が何度もありました。中でもとくに大事な出来事に、旅先の北海道のある場所で西村さんとばったり再会したこと。
もう一つは、陸前高田で事故って八木澤商店の河野社長の家にしばらく泊めてもらったこと。そして、ここ箱根山テラスの長谷川社長をはじめ、高田の人たちに(たらい回し式に)お会いさせてもらったこと。
この出会いがなければ、ぼくは今こうして生きてないだろうなと言い切れる。それほど大きな出会いでした。
縁のある人とはいつかどこかで交わるものだと思いますが、その時の雰囲気とか、やりとりの濃度が、その後の人生への影響を決めるような気がしていて。その意味において、この4日間はとてもよい環境だと思います。
新たな、でもなんだか他人とは思えないような出会いがたくさんあって、それが濃縮状態で未来に還元されていくのだから、そりゃあ人生を変えるようなことがあってもおかしくないよなあ、と。
今年もみなさんと過ごせる時間を、誰よりも楽しみにしています。
長谷川浩己さんから
ついに3年目に突入です。かなりの人見知りであり、ワークショップとか全く無縁だった自分の身になんだかいろんな変化が起きている、ここ数年です。まあ求めていることは起こるべくして起こる、と勝手に思っている方なので、今の状態も実は自分が求めていたんだろうな、と感じています。
ランドスケープデザイナーという仕事をしているので、仕事柄「空間」という言葉を使ったりしますが、実際に大事に思っている言葉はむしろ「場所」という言葉です。出来事が起きるところが場所なのか、場所が出来てそこに出来事が起きるのか、定かではないけれど、とにかく「場所」というところで出来事が生まれ、何事かが始まっていくのだろうと思っています。
箱根山テラスは、まさしくそのようなことを信じて生まれた「場所」であり、この学校自体が一つの出来事です。そう言う「場所」は今までも日本や世界中に無数に生まれて来ただろうし、これからも生まれてくるでしょう。今年はまさに学校そのものの存在がテーマになる訳です。
場所の成り立ちに関わり、育てていくことに興味がある人の集まりになる。今年の(そしてまた来年も)箱根山学校が文字通りそう言う場所になり、この場所からまた新たな場所があちこちに生まれていくはずです。
これからの世界を生きていくために必要な「場所」、また更に一歩進んだ「居場所」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。ぜひ秋の箱根山で会いましょう。
西村佳哲から
この2〜3年は自分にとって、コップの水が入れ替わるような時期で、暮らしている土地も、仕事づきあいも大きく変わりました。
その中でここは変わらない場所。いや、関係は以前とは変わったな。
9月の箱根山学校は、震災後に関係が生まれた陸前高田に継続的にかかわる足がかりであり、頻度高く思い浮かべる遠方の友人たちの拠点であり、同時に自分の現在地点を確かめる定点観測ポイントになっています。
「新しいアイデアとは、既にあるものの〝新しい組み合わせ〟で、地域で生まれる仕事やプロジェクトも同じ。なので、それが生まれうる場所が要るのだけど、この地域はまだ長期的な復旧段階にあって、そうした空間をなかなか持ち得ない。なら、自分たちで創り出せるといいんじゃないか。」
と思いながら箱根山テラスの立ちあげに伴走し、いまも同じ気持ちです。まだまだ、いろいろ始まったばかりですね。
そして同じことを、被災地と呼ばれる場所ではないけれど、消滅可能性の高い自治体リストにしっかり含まれている、四国・神山町という最近おもに暮らしているまちでも思い、いくつかの新しいプロジェクトの立ちあげにかかわっている。その仕事の合間をぬって、9月の箱根山にむかいます。
それぞれ、最新・最前線の本人同士で会いましょう。:-)
by 2016年5月14日