どこで、だれと、なにを?

いま半分以上の時間をすごす徳島県・神山で、初めて、自分でワークショップを開いてみようと思います。

タイトルは「どこで、だれと、なにを?」。参加する一人ひとりが本人の仕事や暮らしについて、じっくり、生き生きと、考え感じることの出来る時間を2泊3日の滞在形式でつくります。
僕は2009年に『自分をいかして生きる』という本を出した頃から、仕事や働き方に関するワークショップを自分では開かなくなりました(相談をもらって気が向いたら応じる程度。代わりに「インタビューのワークショップ」を開いてきた)。
けど、今回のこれは自分から思い立った主催プログラムです。好きにやらせてもらう。いや、そういう話じゃなくて、仕事や働き方に関する視点が20〜30代の頃とは随分変わったな⋯と感じることが、最近何度かあって。
そこからみえる景色を素材に、めいめいが自分の仕事や暮らしのことを扱える場をつくってみようと、あらためて思った。関心のある人、どうぞお越しください。
 
 日時 :2017年3月18日(土)〜20日(月祝)

     集合 3/18 12時頃(神山の某カフェでランチ集合)
     解散 解散 3/20 16時頃

 場所 :WEEK(神山町)
 参加費:24,000円(+宿泊費 17,500円/予価)
      └ 宿泊費内訳)2泊4食、現地精算
     *一緒に行きたい店(食事)が他3軒あり、
      それらは個人精算で別途計6,600円くらいの予定
 定員 :最大22名(12名以上で催行)
 持ち物:・筆記用具
     ・その他、宿泊用品など
 ファシリテータ:西村佳哲
 
 

滞在拠点はWEEKという宿。ダブル、ツイン、グループルームがあります。ワークショップの会場には、町内の他の場所(広い和室)も使う予定。

 
◎お申込み方法:

 以下の事項をお送りください。先着順で受け付けます。
 ・お名前:
 ・連絡用メールアドレス:(複数可)
 ・連絡用電話番号:
 ・ご住所:
 ・ご年齢:
 ・性別:
 ・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
 ・通信欄:(よろしければ、なにか)
 送付先:1703kamiyama@livingworld.net
 
◎お申込み完了までの流れ:
・申込者には、定員になり次第結果をご連絡します。その後、数日以内に参加費をお振り込みいただき、確認をもって参加申込みの完了となります。
*全日程の参加が前提
 

 
今回の動機
昨年11月に奈良・くるみの木の「生活学校」で、二日間のプログラムを担当しました。一日は奈良文化財研究所の惠谷浩子さんと一緒に。彼女に参画依頼した際のメールの一部を、少し転載します。
「多くの人が『自分はなにをして生きてゆけばいいのか?』というお題をめぐって、あれこれ考えたり、逡巡しているように見えます。
 楽しんでいるようにも見えるのですが、『自分がなにを?』というDoingベースで人生を考える姿勢は、自己実現などの言葉とも重なり、私自身は少し息苦しさを感じます。
 『なにをして?』だけでなくそこに『だれと生きてゆくか?』という視点が加わると、息苦しさが多少緩和される感覚があります。
 さらに『どこで?』という視点が入ると、より有機的な仕事づくりや人生が可能になってゆく気がします。が、人々の〝場所を見る視力〟や〝感覚〟は低下していて⋯」

「人々の」と書いているけど、要は自分のことですね。
「どこで、だれと、なにを?」というタイトルで場をもったのは、小田原の旧三福「暮らしの教室」に招いていただいた時が最初だったと思う。2013年。
それ以前も「どこで?」は個人的な課題として抱えていたけれど、2011年に『いま、地方で生きるということ』(ミシマ社)を書いたとき、少し言語化した。
言葉にするとプロセスに拍車がかかるわけですが、追って2014年から神山でお家を貸していただいて、この2年は東京の家と、あと出張先を含む他拠点居住型で働き・暮らしてきました。自分の仕事のつくり方や生まれ方も、この10年少々で大きく変わった。
その背景にあるのは、あくまで個人的な事々です。けど、その中で見えて来たことには「自分だけのこととは思えない」感じがある。それを奈良・くるみの木のワークショップで試してみたところ手応えを感じたので、今度は自分の主催で、まだ半生なそれを分かち合ってみたいと思った。
くわえて、最近暮らしている神山という場所の空気や、大好きな友人らの存在感も分かち合ってみたい気持ちがあります。

写真は真鍋太一と白桃薫。神山の農業の次の一手を担いつつ、拠点として「かま屋」という食堂をオープンしました。ここも訪ね、美味しいもの食べて、真鍋さんや料理長と語らう予定。神山ははじめての人も、何度か行ったことあるんだけどという人も、遠慮無くどうぞ。いまの空気に一緒に触れることが出来れば。そしてこの3日間が、めいめいの仕事と暮らしを、より生き生きと展開してゆけるきっかけになれば。

 
また別のねらい
いま神山にこんな人がいたらなあ⋯と思う人・働き手のイメージが、胸のうちにいくつかあります。
具体的には、たとえば大工の仕事をしてみたい人。このページ読む人の中にそういう人いない気がするのだけど、もしいたら、つないでみたい連中が町内にいます。手刻みで家を建てられる、気立てのいい若手大工2名(30代後半)と周辺の仲間たち。彼ら大工さんの見習いを、僕も一緒に探しているところ。
YouTube:神山・民家改修プロジェクトより

修行という意味では高卒くらいが年齢的にいいんでしょうけど、まあ何歳になっても「思い立ったが吉日」だから。一通りの仕事を覚えるには5年かかる、と聞いています。少し覚えのある人でも。
新築物件は、どうしたって減ってゆきますよね。以前は国も若手大工職の養成に力を入れていたけれど、数年前に撤退した感があります。工務店側も自社で大工さんを抱えているところは殆どなくなり、案件ごとに集めている。ゼネコンのように。でもこれは人を育てる環境じゃあない。自分のところで頑張って若手大工を育てている地域工務店が、いまは眩しい存在です。
神山では、これからの地域の工務環境を、大工見習いの人も交えて一緒につくってゆけたらと話し合っている。技術を身につけながら、これからの大工の仕事を一緒に探し、つくってゆけたら。
というこの隠れたねらいにもし反応する人がいたら、ワークショップに参加しながら様子見に来てください。で、「実は大工見習いの件に興味あり」と伝えてほしい。いろいろつないでみます。

 
 
関連する自分の本を3冊選んでみると…
自分をいかして生きる』(2009)
いま、地方で生きるということ』(2011)
ひとの居場所をつくる』(2013)
 

by 2017年2月5日