これからの仕事をつくる、地域につながる。海を見下ろす山腹の3日間。第5回・箱根山学校

 
「金曜の夜に現地入りして、翌朝から3日間たっぷりすごす」滞在形式。
箱根山学校は、最初は2泊3日、次から3泊4日でつづけてきて、「もう少し来やすくしたい。けど2泊3日だと、丸ごとすごせる日が1日しかないんだよなあ…」と語り合った結果、今年は3泊3日を試みます。来てね!
集合日(9/14)の終便、22:49までにJR大船渡線・BRTの脇ノ沢停留所に到着できればOK。東京駅17:56発の新幹線(はやぶさ107号)に乗ると、スムーズに着きます。停留所からは車でテラスまで。すこし早く着ける人は、スタッフ向けの非公開プログラムに参加したり、南風食堂の夕食を食べながら、のんびりすごすことも出来ます。

 
 日時:2018年9月14日(金)夜〜17日(月祝)
     14日 JR 脇ノ沢 22:49集合/あるいはそれ以前
     17日 脇ノ沢16:35発BRTへの接続で解散
 会場箱根山テラス(岩手県 陸前高田市)
 定員:20名
 参加費:25,000円 ⋯事前振込
 +宿泊滞在費:25,000円 ⋯現地清算、食費等込み

 
箱根山学校・3人のメンバー

友廣裕一[写真左]
20代前半の日本一周を経て、震災後は各地の人々や、自然資源との出会いから仕事を生み出している。というか、彼のまわりで自然に仕事が「生まれている」ようにも見える。『OCICA /オシカ』や「DOOR to ASIA」。「まちライブラリー」「シーベジタブル(海藻事業)」「コミュニティナース・カンパニー」なども。

右端が友廣さん。

長谷川浩己[写真中]
星野リゾートなどのランドスケープ・デザインを手がけるかたわら、2012年頃から陸前高田に通い、外部の専門家として出来ることを模索。「箱根山テラス」では山の中腹に位置する敷地の特性をいかしつつ、建築計画の中心的役割を担った。
軽井沢の『ハルニレテラス』も、長谷川さんの設計。

西村佳哲[写真右]
書籍『自分の仕事をつくる』や『ひとの居場所をつくる』の著者。3年ほど前から四国・神山町に拠点を移し、地域プロジェクトを進行中。「まちづくり」という言葉は不得意。「箱根山テラス」とは、親戚の叔父さんのような関係。
長谷川順一[写真下]
地元・陸前高田の建設会社を経営。震災後、建設業の次の一手として地域の木質バイオマス事業に熱心。WoodLuck主宰。greenz.jpのインタビュー記事「エネルギーの未来を変えるのは、きっとこんな人」をどうぞ。
画像はネットから拝借。

 
5年目の箱根山学校
文・西村佳哲
昨年は3名のゲストを招き、とても贅沢な滞在で面白かったんですよ。個人的には土屋春代さんのロング・インタビューも沁みました。けど、今年はオリジナルメンバーに戻って、極めて簡素に、充実した時間をつくり出してみたいと思います。プログラム案は下記のとおり。
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集合日:9/14(金)
 *この晩、23時までに「箱根山テラス」に集合
  参考情報:
    17:56発 東京
      ↓ JR東北新幹線 はやぶさ107号 盛岡行 
     20:01着|20:39発 一ノ関
      ↓ JR大船渡線 気仙沼行
     22:03着|22:09発 気仙沼
      ↓ JR大船渡線〔BRT:気仙沼 ─ 盛〕盛行
     22:49着 脇ノ沢
 *早く着くと別プログラムにも参加可能(夕食も可)

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1日目:9/15(土)
 7:30 朝食
 8:30〜10:00 オリエンテーション
 10:30〜17:00 西村佳哲の1dayクラス
  「10冊の本を書いて、学んだり考えたこと全部」
   〝自分の仕事〟から〝一緒にする冒険〟まで
 18:00 夕食
 19:30〜21:00 一日をふり返って(友廣裕一、長谷川浩己)
 *昼食は12:00頃

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2日目:9/16(日)
 7:30 朝食
 8:30〜10:00 長谷川順一の話(聞き手:友廣、西村)
 10:30〜17:00 友廣裕一の1dayクラス
  「地域とつながる仕事:陸前高田編」
   誰かの夢に相乗りして、地域を盛り上げてゆくって?
 17:30 夕食「ナベサミット」
 19:30〜21:00 一日をふり返って(西村佳哲、長谷川浩己)
 *昼食は12:00頃

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3日目:9/17(月祝)
 6:45〜 教えても学んでもいい、ミニクラス・オリエン
 7:40〜8:40 ミニクラス・1
 8:40 朝食
 9:40〜10:40 ミニクラス・2
 11:00〜12:00 ミニクラス・3
 12:00 昼食
 13:00〜15:00 クロージング/3日間をふり返って
  └ 脇ノ沢 16:35発のBRTに接続送迎
   *ちなみに東京駅着は21:48の接続
 

今年は、西村佳哲と友廣裕一の二人がメインをつとめます。長谷川浩己も、一緒に滞在しながら要所要所で。美味しいご飯担当は、三原寛子さん(南風食堂)。

料理ユニット・南風食堂主宰。 料理から企画・編集まで守備範囲の広いひと。料理のみならず、すごくいい空気をつくり出す。参照:YouTube「気分や状況に関わらず、いつでも食を楽しむ
 
去年まで、3人それぞれ2時間半の公開講座を開いていましたが、今年は長めの「1dayクラス」を試みます。空を見上げたり、休憩はさみながら、たっぷり。
西村は今年の春、新刊『一緒に冒険をする』(弘文堂)を上梓。これは5年ぶり、10冊目の本でした。

本を書くことは、自分の言葉で考えつづけることであり、また書きながら多くを学びます。
4/19にスタンダードブックストア・心斎橋店で、最初の本『自分の仕事をつくる』から『ひとの居場所をつくる』までの10年間、考えたり学んだり経験してきた出来事を、みんなで追体験するワークショップを試みました。その距離を一気に横断したのは初めてで、自分にも面白かった。
この箱根山学校ではそこにもう一冊加え、『一緒に冒険をする』までの15年間、山あり草原ありの道筋を、一緒に縦走してみたいと思います。
そして友廣さんは、最近「自由大学」で「地域とつながる仕事」という授業を持っている。副題には「誰かの夢に相乗りして、地域を盛り上げて行くという選択」とあります。

シラバスのページには、こんな言葉がある。
「これからどんなふうに働いて生きていくのか。まだ働く前の人も、しばらく働いてきた人も、その手がかりを探しながら生きているという人は多いと思います。
 なぜなら、働くことは生きることだから。一回限りの人生を、どうやってつかっていくのかは、人生の大きなテーマの一つですよね。かくいう自分もかつてはその一人で、学生時代から、その後まで、安易に自分の人生を誰かに委ねるのがいやで、ひたすらに〝自分の仕事〟を求めて動きつづけていました。
 自分の仕事をつくるというと、いわゆる〝起業〟をイメージし、そこまで自分に強くやりたいことはない、と諦める人も多いと思います。
 世の中にいるごく一部のスーパーマン/スーパーウーマンを思い描いては、そこまで自分にはパッションもエネルギーもない、とテンションを落とす。かつての自分はそうでした。夢とか、強くやりたいと思うことがない。そんなコンプレックスを抱えていました。
 でも、自分の人生の主導権を手放さずに生きたい、という気持ちだけはありました。一度きりの命なのに「妥協するのが大人だ」なんて、最もらしく正論を語る大人にだけはなりたくなかった。
 世の中では、立派なリーダーとして自分の夢を実現する、みたいな話ばかりであまり語られませんが… 誰かの夢に相乗りするという生き方は、実はおすすめです」
西村は以前『自分の仕事をつくる』という本を書いたんですね。でも「つくる」という言葉に、実は小さな違和感をおぼえていました。
これまでの人生をふり返ってみると、そこにはその大半が、自分が意志をもって「した」ことや「つくった」ことでなく、「おきた」ことや「なった」ことで形づくられている事実があるので。
個人の意志や目標って、どの程度のものなんでしょう?
箱根山学校をご一緒している長谷川浩己さんは、ランドスケープデザイナーなのだけど、ランドスケープはデザインするものではなくて、すでにある世界に参加してゆくことなんだよ、とよく話してくれます。
自分が「する」ことに意識や力を注ぎ込む前に、この世界がどうなっているか、まわりにどんな人たちがいるのか、自分はいまどんなところに「いる」のか。知覚と存在の仕方を学ぶ方が、大事なんじゃないかな…と時々思う。
僕にとって友廣さんや浩己さんは、別々の角度からその道筋を示してくれる大事な先生です。というわけで、年に一度の3泊3日。どうぞ。

 
◎お申込み方法:
以下の事項をメールでお送りください。[着順で受付]
 ・お名前:

 ・連絡用メールアドレス:(複数可)

 ・連絡用電話番号:

 ・ご住所:

 ・ご年齢:

 ・性別:

 ・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)

 ・お申込みの動機:(必須、ただし選考用途ではありません)

 送付先:1809hyg@livingworld.net

 
◎お申込み完了までの流れ:
・申込者には、定員に達し次第ご連絡さしあげます。追って参加費をお振り込みいただき、確認をもって参加申込完了となります。

・全日程の参加が前提です。

             *
「箱根山テラス」について

「箱根山テラス」の建築模型。広いデッキは地域の人たちにもひらかれています。

新しい価値や試みを形にしてゆく、次の状況を生み出してゆくためには、なんらかの『場』が要ります。「箱根山テラス」はその拠点の一つになることを願って、3年前に出航しました。(ロゴデザイン:中川たくま)

リーダーの長谷川順一さんは震災を通じて、外部に過度に依存しない地域エネルギーの必要性を感じ、本業(建設会社)のかたわら木質バイオマス事業に取り組み始めた。「箱根山テラス」はその彼と仲間たちの、もう一つの新事業です。

西村佳哲は縁あって2012年春から現地に通うようになり、地域の仕事づくりを目指す会社に関与。その中でこのプロジェクトにもかかわることになり、オープン後は利用者として年に一度のワークショップ企画を、友廣・長谷川と始めました。

以前の箱根山学校のワンシーン。腰をおろせる場所が多い。

少人数で話す時間があり。美味しいご飯をとり分ける時間もあり。
毎年いろんな人が集まります。節目をむかえているひと、順風満帆のひと。僕ら3名も含み、ここまで歩いてきた人たちで賑わう、年に一度の旅籠屋のよう。

by 2018年5月28日