自分の仕事を考える3日間

奈良に来ています。
昨日、県立図書情報館でのフォーラム「自分の仕事を考える3日間」が終了。今年もピークで350名ほど、のべ数百名が集い、トークイベントとワークショップと野外フェスの中間のような(屋内だが)、不思議な三日間をともにしました。

ゲストの8名も少し不思議な感覚を得て、今頃それぞれの現場に戻りつつあると思います。
北海道からいらした「べてるの家」の向谷地生良さんは、常温感あふれる独特の語り口で、「いろんな場所で話してきたけど、こんな人たちや場の感じは初めて。面白かった。こんなやり方があるんですね」と熱心に伝えてくださった。こちらこそありがとうございます。

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写真は二日目の三番手、街場のひと・江 弘毅さんとのセッションより。

このフォーラムは三年一区切りで、来年が最終回です。2011年1月8~10日の3日間。
申込み受付は10月頃から始まります。
そして、第二回の9名のゲストとのインタビューを軸にした本を、これから書きます。これは11月頃の発売予定。フォーラムをともにした方も、できなかった方も、楽しみにお待ちください。
 
本当は秋頃に出したかった、前回・第一回フォーラムの本。これは、昨年12月に書店に並びました。
自分の仕事を考える3日間・1
9月に出た二冊目の本『自分をいかして生きる』も、その前の『自分の仕事をつくる』も、書いては書き直し…でどちらも5年ほどかかったけど、三冊目にあたるこの本は約2ヶ月で書いた。
それでも遅筆だとは思うけど、スルッと産み落とすことが出来て、こんなこともあるんですね。
フォーラムでも話したことだけど、『自分をいかして生きる』については、人に「面白いからぜひ読んで」とはなかなか言えない自分がいる。
第一章・二章だけだったら言えたかもしれないけど、第三章とあとがきはそれなりにシンドイ内容だと自分は思っていて、その表し方が難しくて何度も書き直した。今でもあれで良かったのかどうかわかりません。
『自分の仕事をつくる』を読んで「面白かった」とか「嬉しかった」と伝えてくれる人は友人にも大勢いて、でも二冊目を読んだ同じ彼らから「読んだ(…)」という感じのコメントが多いのは、当然のことだよなと思う。僕も「書いた!」というより、「書いた…」という感じだから。でも、書かずにはいられなかったのです。
 
で、今回の『自分の仕事を考える3日間・1』は「書けた!」本で、インタビューを中心にした一冊。
インタビューがInter・View、つまり二人の間に見えてくる景色をうつしとる作業だとしたら、その本づくりは風景画を描く行為に似ている。
形としては自分の創作物でも、その美しさや眩しさは風景のものであり、描いている自分もその景色に感動しているので、もし絵を見て「へーっ、きれいだね!」と声をかけてくれた人がいたら、一緒に「そうだよね!」と喜べる。
リビングワールドでつくっているものも同じで、自分たちの作品が美しいのではなく、吹いている風のありさまや、過ぎてゆく時間、銀河系の、ありのままの姿が美しい。それを眺める「窓」のようなモノづくりが出来たら最高だな、と考えている。
それと同じスタンスで働いた、成果のひとつです。:-)
 
お知らせ
この本に登場する第一回・フォーラムゲストの豊嶋秀樹さん(元graf・現gm projects)、遠山正道さん(Soup Stock Tokyo、smiles:)と、2月に東京でイベントを開催することになりました。
◎ 2/12(金)19:00~21:30 豊嶋さんと gm ten で
◎ 2/13(土)15:30~18:00 遠山さんと 青山ブックセンターで
13日は午前中にワークショップも開催します。
一年後のアフター・フォーラム。第一回に来た方も、来ていなかった人も、どうぞお越しください。

 

by 2010/1/12