インタビューの教室
ひとの話を「きく」技術と感覚をめぐるワークショップです。テーマは「きく」ことですが、結果的に「はなす」こともめぐる時間になる。
同じ場所で9/14〜16にひらかれる〝箱根山学校〟の前オプションとして、開いてみることにしました。

その場所。陸前高田、広田湾を見下ろす山の中腹にある「箱根山テラス」は、5年前に生まれた、空が広く風通しのいい滞在施設。開発に伴走し、オープン後はたびたび訪れている好きな場所です。


わたしたちは言葉をつかって他人とコミュニケーションをとり、働き、この社会で生きています。が、言葉で表現されていることの大半は「考えた」ことで、それ以外は、言葉とはまた別の形であらわされている。
「ひとの話を聞くのが上手い人」と言うと、引き出し方のうまさや、知的な理解力の高さを思い浮かべる人が多いようですが、それが「よくきける」ことなんでしょうか。
僕自身は、引き出しもすれば知的にも理解します。が、それらは交わされるものの、ごく一部だと感じている。
見えていたのに見ていなかったものが、見えるようになる瞬間は楽しい。聞こえていたのに聞いていなかった音が(声が)、聞こえるようになる瞬間は嬉しい。
夏と冬に5泊6日の「インタビューのワークショップ」を開催していますが、今年は、期間の少し短い3泊3日の教室もひらいてみます。どうぞお越しください。
インタビューの教室 2019・陸前高田編
ファシリテーター: 西村佳哲
日時 : 2019年9月10日(火)夜集合~13日(金)
集合 10日 JR 脇ノ沢停留所 22:49 22:58
└ 電車でのアクセスはJR気仙沼駅でBRT乗り換え
解散 13日 14:00頃
場所 : 箱根山テラス
参加費: 40,000円 +宿泊費18,000円(食費・税込)
└ 宿泊費は現地精算
料理人: 植山美里さん
定員 : 9名
持ち物:・筆記用具
・ICレコーダー(ないしテープレコーダー)
+ヘッドフォンorイヤホン
・その他、宿泊用品など

お申込み方法:
以下の事項をメールでお送りください。先着順で受け付けます。
*お申込みが定員に達したので、キャンセル待ちの受付に移行します。(7/19)
・お名前:
・連絡用メールアドレス:(複数可)
・連絡用電話番号:
・ご住所:
・ご年齢:
・性別:
・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
・お申込みの動機:(必須、ただし選考用途ではありません)
送付先:1909takata@livingworld.net
お申込み完了までの流れ:
・申込者には、催行人数に達し次第ご連絡さしあげます。その後参加費振込の確認をもって、お申込みの完了となります。
・全日程の参加が前提です。
陸前高田へのアクセス:
・東北新幹線 一ノ関駅でJR大船渡線に乗り換え、終点の気仙沼へ。気仙沼駅からBRT(バス)を乗り継ぎ、海岸線を40分ほど北上した脇ノ沢という停留所で下車。箱根山テラスから車で迎えに行きます(そこからは5分ほど)。
・西日本からは、東京駅で新幹線を乗り継ぐか、あるいは飛行機で仙台空港へ。仙台駅で東北新幹線に乗り継ぎ以下同様。
・池袋〜陸前高田の夜行バスもあり。

きくこと、について
(2017年7月に書いた、冬編の告知文より)
ひとは光源で、話は光のようだなと思います。回り込んでくる柔らかい光もあれば、エッジをくっきりさせる光もあり、灯火のように揺らぐ光もあり。
その光は自分の耳に届き、胸に届き、きき手の世界に射し込んでくる。
光源を、その造形で捉える人も多い。照明器具の色や形として。その好き嫌いで。
いやそうじゃなくて、光そのものを捉えてみない?
人は「話して」いるようで、実は「うたって」いると思う。多くの人は、その歌詞の方に気をとられている。
うたにはメロディがあるし、さらに、その日のうたいっぷりがある。
内容は昔話や18番エピソードだったとしても、「うたい方」には、いまこの瞬間の、いちばんあたらしい本人がいる。そこで出会ってゆくと、別々の人生を辿っていた二人が〝いま・一緒に・いる〟ことが可能になる。
これは小さな冒険のようだな、と思う。

箱根山テラスについて
箱根山テラスは、陸前高田の友人・長谷川順一が軸となって運営されている、震災のあとに出来た宿泊滞在施設です。以前いくつか紹介記事を書きました。
・「箱根山テラスとは」(2014-9-3)
・「公園のような場所」(2014-9-24)
この場所の経緯等は上記リンク先に任せるとして、ここの良さを、少し書きとめておきます。オープン後は毎年9月の連休に、「箱根山学校」というプログラムで滞在しているのですが、滞在が本当に気持ちいい。
空を飛ぶ小さな公園のようなウッドデッキは、星野リゾートのランドスケープデザインも手がける長谷川浩己さん(オンサイト)の設計。いろいろな居場所がある。思い思いの時間を過ごしている姿をみて、いつも「海の磯場のようだな」と思っています。



いろいろな人がかかわって形になった場所で、たとえばインテリアはgraf・竹之内&佛願さん(大阪)、ロゴデザインは中川たくまさん(福岡・青い月)。朝ご飯は三原寛子さん(南風食堂)がレシピ開発を担当。

宿泊施設で大事なのは清潔であること。基本は清掃ですが、箱根山テラスは海沿いの斜面にあり、昼と夜で毎日空気が上り下りする。その流れを捉える設計になっているので、屋内の空気がいつも新鮮です。この気持ちの良さは滞在してみるとよくわかる。

デッキ東端のブナ林の木陰。デッキを上がると、世界の半分は空。毎日変わってゆくその景色の中で、インタビューの教室をひらきます。どうぞ。


あと「翌日から始まる〝箱根山学校〟も関心ある」という感じがあれば、併せてご検討ください。「10年間やってみよう」という試みの、後半戦の始まりです。
>第6回・箱根山学校
「きく」ことにつながる西村の本を3冊選んでみると…
『自分をいかして生きる』(2009)
『かかわり方のまなび方』(2011)
『一緒に冒険をする』(2018)
by 2019年5月11日