インタビューのワークショップ
〝きく〟技術と感覚をめぐる五泊六日
2016・春の女神山編
わたしたちが「はなす」ことを可能にしているのは、本人の想いや語るチカラ以上に、聞き手のあり方だと思います。
きいてくれる人がいるから、はなすことが出来ている。
とすると、物事を前進させたり展開させているのは、実はビジョナリーで雄弁なひとではなく、その人の前あるいは傍らで耳を傾けている人々なんじゃないか。そんなことを、しばしば思います。
一方、以前ウィーンで会ったピアニストは、「自分たちの最も重要な能力は、運指や演奏の能力ではなく音を〝きく〟力です」と話してくれました。本人の目に見えているものが違うから、写真家や絵描きの作品は同じカメラ、同じ絵筆を使っていてもまるで違うものになるんだ、と教えてくれた人もいます。
プレゼンテーションや自己表現、アウトプットの能力の前駆にあたる、世界を感じる回路を再開発してみる。それを極めて日常的な、私たちが日々ごく普通に行っている〝きく〟ことの辿り直しを通じて、じっくり五泊六日かけて。というワークショップです。
自分が「きく」とき、相手と自分に起こるものはなにか? 関心のある方、どうぞ起こしください。
ファシリテーター: 西村佳哲
日時 : 2016年4月11日(月)~4月16日(土)
集合 4/11 17:35(別所温泉駅集合)
解散 4/16 12:30頃(昼食前)
場所 : 女神山ライフセンター 信州・別所温泉近傍
参加費: 50,000円(+宿泊費 56,700円)
└ 宿泊費内訳)10,000円×5泊・食費・冬季暖房費含
*センターの料金改定(2016年)で宿泊費が少し上がりました
定員 : 12名(9名以上で催行)
持ち物:・筆記用具
・クリップボード
・ICレコーダー(ないしテープレコーダー)
+ヘッドフォンorイヤホン
・その他、宿泊用品など
◎お申込み方法:
以下の事項をメールでお送りください。先着順で受け付けます。
・お名前:
・連絡用メールアドレス:(複数可)
・連絡用電話番号:
・ご住所:
・ご年齢:
・性別:
・お仕事・専攻など:(差し支えのない範囲で結構です)
・お申込みの動機:(必須、ただし選考用途ではありません)
送付先:interview_1604@livingworld.net
◎お申込み完了までの流れ:
・申込者には定員になり次第結果をご連絡します。その後、数日以内に参加費をお振り込みいただき、その確認をもって参加申込みの完了となります。
*全日程の参加が前提です。
*最後が土曜なのは、普段の生活に戻る前に、丸一日ぐらいゆっくり過ごせる時間を確保できればと思い。なので参加する方は、可能なら日曜日の予定は入れずにどうぞ。


女神山ライフセンター・周辺の様子
なぜ、インタビューのワークショップを?
インタビューは「取材」ではないし、もちろん「カウンセリング」でもない。でも、その両方の働きや作用を持ちうる、きわめて微妙な関わり方の技法だと思います。
その語源は「inter(相互に)+videre(見る)」だそうだけど、「二人の間に見えてくる風景」と解釈してもいいんじゃないかと思う。
僕にとってインタビューとは、その人の案内のもと、ある自然の只中へ入ってゆくような体験で、執筆はその風景画を描く作業に似ています。
インタビューワークは、相手を決め、話をきき、それを文章などにまとめる三つの段階で構成されます。一人称で始まった仕事が、二人称に、そして読み手を交えた三人称の仕事に移行してゆきます。
このワークショップでは主に、二つ目の「きく」部分を中心に扱います。そこが最もライブかつ面白い部分だと思うし、描く能力以前にどれだけ見て・見えているかが、絵を描く上でも決定的だと思うからです。
その意味では「きく」と同時に、「みる」ことにも触れると思う。
インタビューの技術やセンスは、たとえばライターに限らず様々な仕事で役に立つ準OS的なユーティリティのようにも思えるのですが、細かい話は女神山で。
プロを目指す人でなくても、ひとの話をきくことに興味のある人、インタビューを学んでみたい人、ライターとして仕事を重ねているけど自分のインタビューを少し見直してみようかな…といった方、どうぞご参加ください。
5泊6日のロングステイで組んでいるのは、参加メンバー同士で交わし合うインタビューの時間を、少しでも多く確保したいと考えているからです。
日常的な仕事や暮らしから離れて、生まれて初めて会う人たちと過ごす時間の良さを、ともに味わいたいとも思っています。(西村佳哲)
インタビュー・ワークとして好きな自分の本を、3冊選んでみると…
『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(2010)
『わたしのはたらき』(2011)
『ひとの居場所をつくる』(2013)
by 2015年11月10日