『虹が出ましたよ』っていう

名古屋デザインセンターでのコンペ審査を終えて、高知で友人らと美味しい二日間を過ごし、昨晩から神山の友人カップル邸にお邪魔している。
今朝、その家の中で、石垣りんという作家さんの詩集をたまたま開き、心が動いた。こんな人がいたんだなあ。

 
最後の方に、選者が寄せた文章があり、あるところで石垣さんが詩について語った言葉が引用されていた。
「たとえば、向こうに虹が出ますね。そうした時に、ほんとにとっさに、誰に、ちっともゆかりのない人たちに向かって『虹が出ましたよ』っていう、あの瞬間的な気持ち、ああいう思いじゃないかと思います。
 すぐに失われる美しいものを、自分一人で見ておくにはあまりにもったいない、そういうものが現れた時に、すぐそばにいる人に『ほら、あんな美しいもの』『あんな珍しいもの』『虹が出た』っていうことを、たいていの人は声に出しますね。あの気持ちと、どっか似通っていませんでしょうか。
 で、『なにいってるの、あんなつまらないもの』と言われるのがつまらない詩で、『ああ、ほんとだ虹が出ている』という表現が出来れば、その詩はあるものを伝えたことになるんじゃないかと、いま、思いつきで、はい。」
賛成!と思い、おもわず転載した、朝のひとときでした。
 

by 2010/6/14