広瀬敏通さん達の災害救援活動

3/11からの東北地方太平洋沖地震災害について、奈良で開催した「第三回・自分の仕事を考える3日間」のゲスト・広瀬敏通さんが、アウトドア用品のモンベルや仲間たちと災害救援活動の組み立てを始めています。

広瀬さんはホールアース自然学校の創設者です。過去にはインドで村づくりを、内戦下のカンボジアで難民救援のひとりNGO活動を行ってきた経験をも持つこの人は、これまで国内で自然災害が勃発すると、アウトドアの技術を持つ仲間たちと一緒に素早く現地に入って、持続的な支援活動を行ってきました。
むこう数ヶ月間のスケジュールをすべてキャンセルして、自分たちのアウティング(野外生活)のスキルをいかす姿には、本当に眩しいものがあります。
今回も「既に現地に向かっているのだろうな…」と想像していたところ、彼が代表をつとめるNPO法人日本エコツーリズムセンターから、その様子と協力依頼のメールが届いたので、以下に転載します。
 
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日本エコツーリズムセンター★Mail Magazine【号外・2】
2011年3月15日 17:01JST

エコセンでは、東京(西日暮里)事務所に災害救援東京本部を設置し、モンベル仙台店(青葉通り店)に現地本部をおいて救援活動を始めています。
広瀬と山中が、救援チーム派遣前の確認などで福島に行ってきました。以下その際の広瀬からのレポート、およびご協力の呼びかけです。(中垣)
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 食料などでは栃木以北のコンビニの棚は空っぽ、スーパーも空の棚が目立ちました。
被害の状況は埼玉あたりから屋根が壊れている家があり、栃木からはブロック塀倒壊や屋根全壊など目立ちはじめていました。
 困ったのはガソリンで、埼玉からすでに制限給油や閉店が出始め、栃木からは開いている店には長蛇の列が出来て、それも福島などから購入しに来る車も目立ちました。
現地では水、食料、ガソリンなどの燃料が切実に不足しています。被災地以外での消費を抑えて、被災地に回るようにして行く必要があります。
 陸域での家屋や土砂崩れなどの被害も深刻ですが、それよりも、広域な沿岸部での津波による圧倒的な破壊のほうが桁外れの大きさです。
 今回は国、県などによる避難所のカウントは2,000程度ですが、これはあらかじめ災害時の避難所とされた場所を集計している数字で、実際には無数と言っていいほどの大小の避難している場所があります。
 これらの把握も物資などの救援の手も、まだ行きわたってはいません。
 
◎(中略)エコセンではモンベル仙台店を本部として、周辺の避難所に活動拠点を増やしていく方針ですが、こうした各拠点で活動できるコーディネーター的人材を急募しています。
 なお、放射能の被爆や地震の再発等による危険性については、参加者に自己判断をお願いするとともに、被害や損害を受けた場合エコセンは責任を一切負うことができませんので、あらかじめご了承ください。また今後の状況により、エコセンは現地での活動を中断する場合があります。
 
◎ 災害救援活動を円滑にするために、エコセン@西日暮里事務局のある西日暮里の日能研ビルに「エコセン災害救援東京本部」を設置することにしました。
 さらに(株)日能研の高木社長のご協力によって、今回の災害救援活動に関わる支援チームのために、物資集積基地&地方から来る支援チーム(ボランティア)のためのスペースも確保できることになりました。
 
◎ 日赤や一般の公的義援金は通常、被災自治体などへ寄付され、その後に自治体ごとの判断で支出されます。
 ボランティアセンターなどの直接的な救援活動に掛かる資金はこれらの義援金には関わらないために、独自の資金源が不可欠です。民間の専門団体による救援活動には多大な資金が必要でこれらはすべて、チーム独自に災害救援基金を設けて寄付を募ることになります。
 直接送金していただける方は、ぜひRQ宛によろしくお願いします。
 >活動支援金をおくる
 
◎ 物資については、必要なものが日々変わっています。以下のページで情報が更新されているので、ご覧ください。
 >支援物資を届ける
◎ エコセンでは上記支援金と物資の他に、救援ボランティアの申し込みをお願いしております。詳細は上記ページをご確認ください。
 >ボランティアに登録する
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以上です。
リビングワールドとしても、自分たちに出来る支援を、継続的に行ってゆきたいと思っています。
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追補・3/18)リビングワールド・西村佳哲 @lwnish のTwitter 投稿より抜粋。
昨日、日暮里にある日本エコツーリズムセンターという組織の、災害救援ミーティングに同席してきました。参加者30名ほど。野外活動とか自然ガイドのプロの全国的なネットワーク団体の会議。
一昨日まで災害救援の下見で現地に行って帰ってきた広瀬敏通さんの報告を聞きながら、みんながどういう支援をどういう流れでやっていこうか…という話し合いの場です。雰囲気としては「もののけ姫」でイノシシのような各山の主が集まって話し合うシーンありますよね。あんな感じです。
モンベルと連携しながら、国の動きが手薄な仙台以北のエリアに入ってゆこうとしている。今頃、現地拠点づくりの15名が車を走らせています。
 
トヨタ白川郷自然學校の現校長で、阪神の災害時にも地域拠点を運営した西田真哉さんが最後の方でこんな話をした。
「僕らは民間の動きです。でもこのあとボランティアなども受け入れてゆくと、活動として大きなものになる。大きくなると、お役所的な動きが出てくることがある。それはことに〝公平に〟あたろうとする動きです」
「それはことに〝公平に〟あたろうとする動きです。でも民間のボランティアの良いところは、その場での〝出会い〟を大事にして動いてゆくことや。そこを忘れずにいきましょう」と。

 

by 2011/3/15