
太陽系のそと|銀河系
Beyond our solar system: Milky Way galaxy
ガラスキューブの中に、銀河系が浮かんでいます。
国立天文台の立体データをもとに、天の川銀河の星々のうち、約8万点をレーザーで打ち込みました。

図鑑で見る銀河系はたいてい平面的。それを四方から眺めてみたかった。比較的近いマゼラン星雲も、このキューブの外。宇宙ってスカスカ…というか疎密が極端です。
最初の制作は、益子のスターネットで開催した「窓」展(2005)。国が定めた利用条件があり、当時すぐには商品化できなかったのですが、関係者が力を尽くしてくださって実売可能になりました。

銀河系が片側に偏っているのは、太陽系(つまり地球)がキューブの中心に位置するようにレイアウトしているから。「太陽系のそと」というタイトルのゆえんです。
私たちの銀河系を、このように外から見たことがある人は、まだ一人もいない。
そしてこれからも長いこと、こんな眺めの場所に人類が辿り着くことはないでしょう。
以前は地球もそうでした。外から俯瞰的にその姿を見た人は、一人もいなかった。人類が宇宙からの地球の眺めを目にしたのは、1946年のV2ロケットによる無人撮影(参考映像)がはじめてだそうです。
いずれにしても60年ほど前の話。しかし、地球全体を描いた世界地図はその何百年も前から存在している。

たとえばこれは1760年に描かれたフランスの世界地図です。日本の形。「おしい…!」という感じですよね。
経験と測量と、どうしてもわからないところは、想像力でおぎなって描かれた世界地図。
じつは銀河系の立体データも、大航海時代の世界地図と同じ状況なのだそうです。
すべてを知っている人は誰もいない。銀河の中心方向にはガスの雲があり、その向こう側は電波望遠鏡などをつかっても、まだ十分に捉えることができません。
最新の観測装置で捉えられる限りの恒星データと、コンピュータを駆使した理論計算。と、あと想像力で足りない部分をおぎないながら、世界各地の研究者が銀河系の地図を描き、たがいに見比べている。人類は銀河系についてそんな時代にいる。
この「太陽系のそと」は、4D2Uというプロジェクトのデータをもとに制作しています。
4D2Uの銀河系データは、小久保英一郎さん(国立天文台・理論研究部准教授) と加藤恒彦さん(現大阪大学)が、理論シミュレーションの最新成果をもとにつくりだしたもの。

私たちはこの銀河系を、ふだんは「天の川」として内側から見ています。この中に太陽があり、地球があり、私たちがいる。
私たちの世界の中心がある。
その外側には、こんな空間のひろがりがある。
Beyond our solar system/太陽系のそと
天の川銀河系の立体造形
・ガラスキューブ W:120×D:120×H:120mm 重さ 5.3kg
(キューブの一辺は約10万光年)
・敷物/ビロード 42cmΦ
・小さな読み物付き
・オリジナルデータ 国立天文台・4D2Uプロジェクト
小久保英一郎(→Tokyo Source)
加藤恒彦(→Mitaka++)
・データ製作 安藤幸央(exa)
・協力 高橋真理子
・レーザマーキング エルテック(株)
・価格:86,400円(本体価格80,000+消費税)
*この12cm角バージョンは販売終了。7cm角の「太陽系のそと|銀河系 palmtop version」は販売中です
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by LW 2007/12/22