日食と木漏れ日

先月、ピンホールカードが売り切れました(ありがとうございます)。「今年の暑中見舞いに使おう」と私たちも思っていたのですが、手元には残らず。

そのピンホールカードの使い方のポイントと、
ピンホールカード無しでも十分に楽しめる、日食の観察方法をご紹介します。
 

ピンホールカードの使い方

ピンホールカードには、直径1.5mmほどの小さな丸穴があいています。

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「この穴から太陽を覗くんですね!」と早とちりする人が時々いますが、違います。:-)

穴を通過した太陽の光は、少し離れた面で像を結びます。その距離は、相手が太陽だと1mぐらい。

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カードと投影面をこれぐらい離してみてください。その影の中を観ます。

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こんなふうに、欠けてゆく太陽が像を結ぶ。(晴れれば!)

たとえば下の写真のように、カードと投影面が近すぎるのはNG。

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これでは穴の形が見えるだけなので、お間違いなく。
 

しかし、ピンホールカードが無くても!

カードがなくても大丈夫。たとえば、手の握りこぶしで小さな穴をつくってみてもいい。

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少しピント甘いけど、こんなふうに像を結びました。:-)

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エジプトの皆既日食にて。(2007)

原理はカメラ・オブスクラ(camera obscura)です。
昔の人たちは、節穴から入ってきた光が、暗い室内の壁に外の風景を映し出すことに気づいていました。その理解と考察が、カメラという機械に至っている。

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About.comより

今のカメラはピンホール部分にレンズをはめて、さらにたくさんの光を集め、より鮮明な画像を獲得しているわけです。
と言うことは…。カードの代わりに双眼鏡をかざしてみると、こんな風に太陽が見える。

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よりクッキリ、かつ大きく日食を見れます。目も安全。

 
以上、ピンホールカードが無くても日食を観察できる方法を、少し書いてみました。

あのカードは、離れた土地で暮らす友人に「一緒に日食みよう!」と声をかけるためのメディアです。日食を観る方法自体はほかにもいろいろあるので、試してみてください。
たとえば、木漏れ日がよく見れる場所は、近所にありませんか?

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木漏れ日が丸いのも、太陽が丸いから。
日食が始まると、これがすべて一斉に欠けてゆきます。

当日までに、いい木漏れ日スポットを見つけておくのも良いかも。
葉が大きすぎると、漏れ日はあまり落ちません。この写真の影は桜の木(ちょうどいい感じ)。
 
22日は全国的に晴れるといいですね!
わたしたちも、どこかで日食を楽しんでいます。
 

by 2009/7/15