砂時計がそろいました

在庫を切らしていた4つの砂時計が届き、その検品作業をしていました。検品が好きです。勢いで書きますね。

届いた砂時計には、こんなふうにラップがついています。これは何ヶ月か前、葛飾区の工房からガラスの砂時計部分がとどいた時点で私たちが巻いておいたもの。木工作業の過程で傷が付かないように。

それを剥がしながら、状態を確かめ、検品と同時に埃を拭き取ってゆくのですが、作業をしていると旭川の木工工房の匂いがする。
要は木屑なんですけど、私たちが製作をお願いしている旭川の環境家具工房さんは化学物質過敏症の方のための家具をつくっているので、工房にもケミカルな匂いがない。

木立の中にある工房を思い浮かべながら、検品&クリーニングをつづけます。北海道は涼しいだろうなあ。

木製品のたまらないところは、一つづつ、必ず違うことです。木目、木肌。これは検品作業の特権かもしれない。まとめて見るときによりよくわかるので。同じ樹種でも色合いも微妙に違う。どういうところに生えていたんだろう、とか。

今日とくに萌えたのはこの人。魚でいうところのチアイのような、色味がくっきり変わる部分がエッジにつかわれている。
で、それがちゃんとグルリとつづくように組み立ててくれているところに、職人さんの「どうでもよくなんかない」感というか、仕事への握力を感じる。国本さん(旭川の木工職人さん)が好きです。

今回は、半年以上在庫切れがつづいていた「J・マイヨール:ある潜水時間の砂時計」も入荷しました。センという木の白い木肌がきれいです。(いちばん上の写真)

この砂時計の時間は、1976年に地中海でジャック・マイヨールという人間が、人類で初めて水深100mを越えるフリーダイビングの記録を樹立した、そのときの潜水時間です。
地上でいくら競っても無理。高い水圧で、体内環境が劇的に変わるから同じ量の酸素で長く活動出来ているのだけど、にしても、そもそもそんな世界に人間が行けるのか…と思う。

マニアックな一品で、でも毎年求めてくれる人がいるのは映画「グランブルー」の記憶によるところが大きいのでしょうか。海水の、少し深く潜るとスッと冷たくなるあの感じも思い出しつつ作業をつづけます。

最後は在庫保管中の湿気対策で、チャック付きの袋に入れて、検品は終了。つぎは出荷。
ご注文、お待ちしています。:-)

by LW 2014/7/11