10/16 福田俊作さんと

長野県安曇野・穂高養生園

2014-10-20 西村佳哲

1月に奈良で開催するフォーラム、およびその本づくりにむけてインタビューを始めた。これから12月にかけて粛々とつづく。
その簡単な報告を、一人分づつ書いてゆきます。

最初のインタビューイは、穂高養生園の福田俊作さん。長野へ行ってきました。
燕岳の登山口にあたる渓谷沿いの土地で、28年前から、堂々とした場づくりを重ねている。告知ページのプロフィールはこのように書いた。

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福田俊作 ふくだ しゅんさく

一日二食の玄米菜食と程よい運動を通じ、自然治癒力を育む滞在を提供するリトリート施設「穂高養生園」のオーナー。食事・運動・休養こそ自然治癒力を高めるという思いから、1986年に安曇野に静養施設として開園。
近年はヨガや自然菜食、デトックスなどの、静かな滞在を求める若い女性が多く集まっている。
一方、自然に沿いながら、自分の力を信じて生きてゆく暮らし方を求める若者たちが、人生の一時期に、スタッフとして身を置く場所として機能している側面もあり、とても面白い。
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医師は病気について学ぶが、健康についてはあまり学んでいない…とは、福田さんとも交流のあるアンドリュー・ワイル博士の言葉。養生園が1990年に発行したニュースレターにあった。

福田さんと話していると、なにも感じられないごくあたり前のような「健康」という言葉が、あらためて立体化してくる。病気をいかに治すかではなくて、健康でいればいいんだ。
もしそれが難しいとしたら、日常に原因がある。この話は僕にとって、仕事や働き方の話とも重なる。世の中の慢性的なものすべて、か。

穂高養生園は病気を治療する医院ではなく、予防の手がかりを得る、ないし自然治癒力を高めるセルフケア・センターとして28年前にひらかれた場所。いまふうの言葉で言えばリトリート。

開園から十数年経った頃、上流の渓谷沿いに山の土地を購入。以後そこに、セルフビルドでさまざまな建物を建ててきた。品質の高い自力建設の見本場のよう。

上の写真は、ワークショップ・ハウスのキッチン棟。下はカフェ棟と、その建築過程のスナップ。

森の傾斜地を拓いて、生えていた広葉樹を伐って建てている。角材にせず非直線の丸太で使っているのは、乾燥が十分でなくてもソリが生じにくいのと、あと面白さからだろう。

坂口さんの「0円ハウス」を引き合いに出すのは変な話なのだけど、彼のそれに刺激されて「建物はローコストで簡単に建てられる」と考えたがる人が意外に多い。

仮設ならそれで構わないが、間に合わせの素材でとりあえずあつらえた空間は、長い時間を越えて暮らしを支えてゆく力量に欠ける。
時間をかけて価値を積み重ねてゆくには、巣のように手を入れつづけてゆける柔らかさと、あと強度が要る。

養生園の建築群はその優れたサンプルだと思う。8年ほど毎年訪れては、見上げるような気持ちで福田さんたちの仕事をながめてきた。

インタビューの前日、こんなメールを送った。

明日よろしくお願いします。
僕はこの10年ほど、いろいろな場所をワークショップに使ってきました。
その中でも穂高養生園は特別な場所です。

いま、開園から30年近くになりますか。
自分が知っているのは、最近の9年くらいに過ぎませんが、福田さんがあの場所をどんな想いで、どんな流れの中で始められたのかとても興味があります。

(中略)

すごく魅力を感じていることが一つあって、それは養生園のスタッフたちの存在感です。
ルヴァンのスタッフのそれにも通じるものがあるのですが、従業員というより、その人がそこにいる感じがすごくして、とても気持ちいい。

こういう職場というか、働いて・暮らしている空間をつくり出している福田さんは、スタッフについてどんなことを考え、なにを大事にしているのかなと思う。

養生園は、休息をとったり身心を整えたい滞在者たちの居場所になっているのと同時に、スタッフたちにとっても、人生のある時期に身を寄せて、力を得たり蓄える空間になっていると思います。

「養生園にいました」と語る素敵な人と、日本各地で相まみえる機会が増えてきました。その都度、福田さんはすごいことを成しているなと思います。

森のキッチンで、滞在者の晩ごはんをつくるスタッフたち。(2012年10月) 大袈裟だが、1日の大半をご飯の準備に費やしているように見える。とても美味しい。

翌日のインタビューは4時間に渡った。内容は本と、あとフォーラムで分かち合いたいと思います。1月の奈良にお越しください。
定員200のところ、本日時点で既に130名のお申込みをいただています。慌てず、どうぞお早めに。

>お申込みページ[Peatix]

次のインタビューの相手は、橋本久仁彦さんです。

by LW 2014/10/20