
Guiro / つづく宇宙
ずいぶん前、近所の小さなレンタルビデオ屋で、聴いたことないカバーで、フィッシュマンズの「MAGIC LOVE」がかかっていた。
一体これは誰なのじゃぁと、よっちゃんがいざ検索。
しばらくして、とてもきれいな潔いCDシングルが何枚か届いた。
むかし咄みたいな、聖句のような、うたのつらなり
浮遊してる音が、おいしい水みたいに馴染む
よく行く街にあるライヴハウスで、GUIROのライヴがあると偶然知って行ってみた。動いてるのをみるのははじめて。2曲目までハスキー声の背高なニットキャップのお姉さんが歌ってるのだと、なぜか本気でおもっていた。おもいこみよ こんにちは。
のど仏に気づいて、はっとした
をのこ か めのこ か
どっちがどっちかはどちらでもよい。
さいきん、井上陽水にも、民生(世代柄、呼び捨てで)にも、YAZAWAにも、いいおばちゃんを垣間みるときがある。はたまた、かっこいいおっちゃん風を吹かせている、おばちゃんたちにもときどき出会う。
みな愛しい存在。
ライヴがはねて帰り際、GUIROのみなさんに、Albumの白くてうつくしい龍の目と髭のところにサインをいただいた。
また生で聴きたい。生きている音。
つぎの日 ちがう町で、はやい夜
交差点ちかくでギターを弾く人
信号待ちの耳に ここちよいエンディングが届く
おもわずその場から 音のない拍手をした
その人は気付いて ぺこりと笑顔
次の曲がはじまり わたしは会釈をして道をわたる
* * *
先日、はじめて参加したワークショップ。一週間以上経ってもまだ、朝、目が覚めるとき、まだ細かい波がつづいてるような感覚があった。そして、とんでもなく昔の出来事のような。
気持ちの準備とか、そういうものが何もなく、ただ、いくつかのあたたかな点が在った。
気がつくと大きな波が来ていて、巨大な磁石にひっぱられるように、あるがままに身をゆだねただけ。
言葉をこえた関係性
深い誠意と存在があり
何かがすっかり溶けて 吐き出されていく
たくさんの気づきの波
長年つきあった頭痛も、もはや自分で消せる
この痛みは自分でつくり出していると
深くふかく気づいたから
鼻をかんでいるトイレットペーパーには、
先月ひきはらった仕事場の匂いが染みついている
つづいている日々が 毎日うまれて 毎日消える
いくつかの符合とともに、遠くから届く声がある
それは在る
尽きることなく 在る
宇宙は いつかロケットで行く処と思っていたけれど、
今 わたしが居るところが 綿々とつづく 宇宙。
by tariho 2008/2/18