
Apr 24, 2022
12月に登った「どう?就活」の下山プログラムで、本城・牟田・東野・団さんの4人と、もう少し話してみることに。その第一弾として、本城愼之介さんと、代々木公園で2時間ほどインタビューを交わした。
軽井沢の人は口を揃えて「東京は近い」と言う。実際その気軽さは、高尾や八王子から出て来る感覚とあまり変わらない気もする(駅までは少し遠いかも)。
にしても、インタビューと昼食のために足を運んで「じゃあ」と何気なく帰ってゆく背中を見送りながら、彼の人付き合いのよさが沁みる。
風越学園には日々延々と重ねられてゆく日常があり、そこには生徒や親だけでなく、50名をこえる教師やスタッフがいる。人がいればそのぶんいろんなことが起きるわけで、面倒なことも面白いこともそれは沢山あるだろう。中華鍋を握って大量の野菜を炒めている最中のひとに横から話しかけて、ちょっと時間をいただいたような感覚。
「ちゃんと形にしないとな」と思いながら、富ヶ谷のルヴァンへ。製造の若いスタッフが「団さんの* 聴きました。東野さんのも(笑)」と話しかけてくる。「どう?就活」の記録動画の話だ。
「母がアソブロック(団さんの会社)で働いているんです」。えっ。「何年か前に、合羽坂テラス(アソブロックほか数社の共同オフィスがある)のリビングで甲田さんのお話会があったじゃないですか」。
あった。2016年だ。「甲田幹夫さんはいま、どんなふうに」というタイトルのお話会を、お昼のパンの軽食付きでひらいた。
〝甲田幹夫さんは、東京・富ヶ谷と信州・上田にあるパン屋さん「ルヴァン」のオーナー。国内の天然酵母のパン屋さんの、草分け的存在です。
運動神経がいい。毎日、逆立ちをしているらしい。富ヶ谷と上田を行き来しながら、仲間たちと働いています。
その甲田さんに、いま、どんなことを思い・感じながら生きているのか、ゆっくりうかがう時間をつくり、集まった人たちとも分かち合えたらな⋯とここ数年思っていたのですが、今年それを実現しようと思います。〟
告知文から転載。いつも同じようなことしてるな。好きな人と会って、一緒に時間を過ごす口実を画策しているわけだ。
「あのとき、あの場所で私も聞いていて」。えっ。「そうなんです。中学生で。『ルヴァンで働きたい!』と思ったんです」と笑いながら聞かせてくれた。
こんなこともあるんだな…と思いつつ、すごく自然なことじゃないかとも思う。多くの学生は、実はそれほどよく知らないし、自分が会ったこともない人たちが働いている、二次情報で知った会社を強く志望して、入社試験を受ける。この二次情報の壁の抜け方は、午前中に本城さんとも話していたことだけど、考えてみればそんな大げさな話じゃない。
この人はお母さんと仲がよかった(たぶん)。誘われてお話会に行くと、みんなの前で話している人にいい感じがした(パンも美味しかったかも)。そこに自分も身を置いてみたいと思って…どんな経緯があったのか知らないけど、いまはそのルヴァンでパンを焼いている。
で、一生いるわけでもなく、定年退職もありませんしね、より『いい』と感じる方へ、そのときどきの彼女が枝先を延ばしてゆくんだろう。
『自然なことだよな…』と思いつつ、別のスタッフとお勘定を。おつりをもらいながら「今回はいつ頃(神山に)お戻りになるんですか?」と訊かれて、「いや。もう帰ってきたんだよ(笑)」「それは!お帰りなさい(笑)」と交わした。そう。今月と来月、2回の引っ越しの只中にいる。
*くだんの記録動画:「どう?就活」2022年12月5日・団遊さんの回
(2時間ちかくあるし、団さんのお話には投影資料もなかったので、視るより聴く方がいいと思う)