
May 30, 2022
「ハローカミヤマ」の楽しい音源が、前後編に分けて公開された。前編がとくに楽しい。後編二つめの質問「働き方研究の現在は?」につづく言葉を聞き返しながら、もっと違う話をすればよかったのにと思う。
『自分の仕事をつくる』(19年前だ)を書いたあと、日本仕事百貨を立ち上げた中村健太さんに出会った。当時の名前は東京仕事百貨。彼と話しながら、「こう社会実装する手があったか」と関心したのを覚えている。
求人メディアの再開発は『自分の仕事をつくる』や『自分をいかして生きる』が求めていた、「従業員でなく〝ひと〟が働いている社会をつくる実践的な方法」たり得るよな、と気づかされた。
私自身はその後「インタビューのワークショップ」にそれを見いだすようになる。試しているのは「目の前のひとが〝自分の言葉〟で話すことを可能にするきき方の共有」で、「自分の言葉で話す」ことが、人が他でもない本人の人生を生きる具体的な手がかりの一つだと思うし、いわゆる消費者や従業員でなく、たくさんの〝ひと〟が生きている社会に近づくんじゃないかと思っている。
でもそんなふうに整理出来たのは近年で、10年ほど前は「働き方研究の次になにをするといい?」「百貨はあるし」とか考えていた。頭が考えている頃、身体は勝手になにか始めているので、安心していればいんだけど。
で、神山町で手掛けた〝まちを将来世代につなぐプロジェクト〟は、個人的には働き方研究の社会実装でもあった。2015年冬に書いた同プロジェクトの施策冒頭には「みなさんへ」で始まる前文があり、こんな言葉を置いている。

子どもたちの「仕事」や「働き方」をめぐる概念・価値観は、いま働いている大人たちの姿や様子を見ながら、いま形成されている。日々形づくられている。私たちが「見られている」ことを自覚しながら、仕事のアリーナ席に彼らの居場所をつくるところからいろんなことが始まるし、生まれやすくなるんじゃないかと考えていた。
で、神山では実際結構そうなってきた気がするので、この話を笹川さんや神先さんと神山で最後に交わせたら楽しかったな。二人ともよく知っていると思うんだ。